ひさしぶりの国産ジャノメ製家庭用足踏みミシンのご紹介です。古いミシンというと英語名が付けられたものが少なくありませんが、それは海外輸出を考えてのことでしたが、こちらジャノメ（蛇の目）は敢えて日本らしい名前でスタートした会社なのです。これは日本製の誇りを持って世界と勝負するという会社のプライドから付けられた名前だったのですが、ジャノメのミシンはそれに値する機械の品質を持っています。現代に生きる私たちから見ても部品の工作精度が高く、また縫っても機械の動作音が小さく軽く、どの機械を見てもそれが安定していると言うことです。現在でもその会社が存続している背景には、当時から妥協しないものづくり精神が培われていた企業文化があったからに違いない！…と足踏みミシンを通して想像してしまいます。

　ミシン本体表面に使用による擦れはありますが、デカール（模様）は残っています。ツヤも十分に残っていますね。機械は分解掃除をして調整いたしました。ゴム輪やベルトなどの消耗品は交換いたしました。家庭用ミシン針・ボビンケース・ボビンなど市販されているものが使用できます。返し縫い機能、送り歯を上下させるドロップフィード（送り歯の高さを調整させる機能）もあります。キルトや刺繍もやっていた方がいるようです。アタッチメントを使えばボタンホールの穴かがりも可能です。

　木製の台部分は一部にやや傷が多かったため、傷んだ面だけを研磨して再塗装をいたしました。もともと暗めの板色でしたのでオリジナルに合わせた濃い目の色を選びました。脚も分解クリーニング後に再塗装をしております。ミシンとのバランスも調整済みです。

　風格も機械も落ち着いた大人な足踏みミシンです。