通称腕ミシン、シンガー17-11の足踏みミシンが入荷しました。背の高い台に取り付けられています。
外観や実用性の評価についての詳細はこちら
シンガー製腕ミシン、モデル17-11です。主に皮革や厚地を縫うための工業用ミシンになります。モデル17-1の方が一般的で、17-11はサイドカッター付きのモデルとして開発されたようです。こちらへ入荷したときには、その機能は部品ごと取り外されていましたので、カッターの取り付けは現状出来ませんが、あとは17-1と同じように使用できます。また以前の使用者が高い位置での作業を望んだのか、職業用ミシンの高さの脚に交換したようです。腕ミシンの脚では台まで69センチ、こちらは74センチですので5センチほど高くなっています。より目線の高さで作業をしたかったのでしょうね。はずみ車はその他の腕ミシンと同じく径の小さなもので、低速で縫う仕様になっています。わかっている人が改造したというのが当方所感です。
針は工業用・職業用として売られているミシン針(DBx1や革用TF針など)が使用できます。ボビン・釜も国産の新品がありますので入手しやすく消耗品の心配もいりません。今回は革用の針18番以上を使用して牛革4mm程度に20番の糸を使って試し縫いをしております。生地の種類にもよりますが、今回は摩擦が強く糸を引く革を使いましたので、太い糸ほど上糸調子を強めにする必要がありました。
機械は分解掃除をして調整いたしました。ベルトなどの消耗品は交換いたしました。部品としてボビンケース(釜)・送り歯などが付いています。また新品のローラー押さえもお付けします。こちらの方が普通の押えよりもカーブが縫いやすいです。
台は古い塗装を研磨して部分的な補修をした後に再塗装いたしました。使用した塗料は天然樹脂シェラックニス。古くから使用される天然樹脂の塗料で、アンティーク家具の補修や塗装に使われてきました。天然素材で石油系シンナーなども使用しておらず、またホルムアルデヒドの吸着効果もあると言われています。ただ、熱やアルコールに弱いので、熱いコーヒーカップや消毒アルコールなどを置かないようにしてください。また水気のある花瓶も避けた方がよいでしょう。脚は分解クリーニング後に再塗装をして機械の調整もしております。金の文字は機体に合わせて敢えて塗装を控えましたが、ご希望がありましたら塗ることはできます。ご注文の際にお知らせください。
歴史を感じるシンガーの腕ミシンです。
消耗品 | 市販 | |
---|---|---|
ミシン針 | 工業用ミシン針 DBx1等 | ◎ |
ボビンケース | 専用ボビンケース | ○ |
ボビン | 専用ボビン | ◎ |
ゴム輪 | 外径29mm | ○ |
ベルト | 職業用革ベルト | ◎ |
◎:手芸店で新品入手可能 ○:専門店で新品入手可能(かも) △:ミシン専門店でも新品入手難 ×:アンティーク品のみ存在 |
主な機能 | |
---|---|
縫い目調整 | ○ |
返し縫い | - |
上糸調子 | ○ |
下糸調子 | ○ |
押え圧力調整 | ○ |
サイズ(横x奥x高さ) |
---|
99 cm x 44cm x 75 cm |
※高さ天板まで。機械を含めると高さ約110cm |
その他の特徴 |
---|
- |
説明書(英語版)のコピーをお付けします。
画質は読める程度。