シンガー製、職業用足踏みミシン、モデル188Uです。こちらは日本製。シンガーは本社はアメリカですが、第2次世界大戦後、日本に合弁会社を設立し、宇都宮の工場で日本製のシンガーミシンを製造していました。シンガー本社は当初日本で製造するミシンの品質がアメリカやイギリスなどの工場で製造するミシンと同じと判断できるまで“SINGER”の名前を使わせませんでした。やはり占領国なので技術に懐疑的だったのかもしれませんね。時々市場でMERITTと描いてあるミシンがその頃のミシンです。ただこれもすぐ品質が十分高いと認められたため、その後は欧米と同じくSINGERの名のあるミシンとして製造されることになりました。当時国産の代表的なシンガーミシンは、家庭用ミシンでは15Uや191U、職業用ミシンでは188シリーズが上げられます。188はこの頃から1990年頃まで製造され続けたロングセラーモデルです。

　職業用ミシン本体そのものも毎日何時間も使い続けることを前提に設計されていますので、筐体や部品も丈夫に出来ています。また釜は全回転の垂直釜。スピードに対する縫製の安定性があります。また使用できる針も硬い職業用・工業用ミシン針でいろいろな種類があるのも魅力です。ボビンやボビンケースも現行の市販されているものが使用できます。ボビンにもヤキ入り・ヤキなしの鉄製、アルミ製など種類がありますよ。

　機械は分解掃除をして調整いたしました。ベルトなどの消耗品は交換いたしました。内部のグリースも交換済み。188は長年経って動作が重くなって見つかるものがほとんどですが何点かのポイントを整備するとかなり軽くなってくれます。台に置いて使用する際には大きなベルト車の脚を使っていますので初動は家庭用より重くなりますが、縫い進んだときの推進力は他のミシンと比べて圧倒的です。工業用ミシン針（DBｘ１など）・ボビンケース・ボビンなど市販されているものが使用できます。返し縫い機能があり、返し縫いのレバーにはバネが入っていますので、レバーから手を放すと元の位置に自動で戻ります。

　台は後年に交換されたものだと思われます。折り畳み部が広がるのは大きな縫い物をするときには便利ですね！モーターが元々付けられていましたのでそのままにしてあります。電源をつなげば動作しますが、おまけ程度のものと考えてください。あくまで本機は足踏みミシンとしてご提案しております。或いは新しいモーターを同じ場所付近に取り付ければモーターで動く電動ミシンにもなるという一つの例です。脚は分解クリーニング後に再塗装をして調整いたしました。

　モーターよりも足踏み動力の方が力強い！？しrません。