家庭用ミシンが普及しはじめたごく初期、まだ誰も家庭で洋裁をする意識すらなかった時代、そんな時代に生まれた真のアンティークミシン、シンガー製モデル12K New Familyの足踏みミシンです。140年経っても縫えて見た目のコンディションも抜群の奇跡的なアンティークミシンです。
外観や実用性の評価についての詳細はこちら
1870年代というと日本では明治時代が始まり古い制度が目まぐるしく変わった時代です。こちらのミシンは1874年製。2014年現在で140歳になります。140年前の話はもう教科書の中の話ですね。アンティークミシンとは言え当時は道具ですので使用されれば磨耗して絵柄や塗装が消えてしまうのが普通です。時間による傷みも必ずあります・・・しかし!こちらの足踏みミシンは一目見て感じられるように当時どういう姿だったかを容易に想像できるほど状態を保っています。
ミシンは分解クリーニングと調整、テーブルの木は研磨後に再塗装、脚も分解クリーニングをしました。本体はさすが金属だけあって汚れを落とすと錆も少なく見事な復活を遂げました。テーブルは3枚接ぎの無垢マホガニー仕様で、表面の汚れや古い塗装を落とすと艶のある木材が出てきました。塗装も当時と同じくシェラック樹脂を使ったフレンチポリッシュをおこない、温かみのある艶が出るよう仕上げました。引き出しはそのままで使える状態ではありませんでしたので、取っ手と前面の彫刻を無垢材から削りだして同じサイズで復元いたしました。取っ手の裏側まで彫りこんでありますので手作りでなければ難しい加工です。現代家具では見られない装飾でしょう!脚は金色の模様が残っている部分があり、クリーニングと一部の塗装のみで済ませております。動作は問題ありません。
ボビンケースはボート型のシャトルで、ボビンも細長いものを使用します。また針はシャンク(太い柄の部分)が無いまっすぐな特殊なものを使用します。アンティークといえば飾りの面もありますが、きちんと縫えるように整備しております。筆者もお気に入りを眺めてニヤニヤする方ですが…少し縫ってみるのは良いのではないかと思います(かなり贅沢ですね)。
消耗品 | 市販 | |
---|---|---|
ミシン針 | シャンクなし専用針 | △ |
ボビンケース | 弾丸型シャトル | ▲ |
ボビン | 専用ボビン | ▲ |
ゴム輪 | 大きめ | ○ |
ベルト | 家庭用革ベルト | ◎ |
◎:手芸店で新品入手可能 ○:専門店で新品入手可能(かも) △:ミシン専門店でも新品入手難 ▲:アンティーク品のみ存在 |
主な機能 | |
---|---|
縫い目調整 | ○ |
返し縫い | - |
上糸調子 | ○ |
下糸調子 | ○ |
押え圧力調整 | ○ |
その他の特徴 |
---|
- |