ロングアームのシンガー29K62 工業用の八方型ミシンです。
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久々に入荷しました!シンガー製八方型ミシン・モデル29K62、ロングアームの工業用ミシンです!ロングアームとは?ミシンの針を動かす機構が入っているところをアームと呼びます。ここが普通のモデル29と比べて長くできているのでロングアームと呼ばれています。生地を置くところ、つまりボビンケースを入れる場所の上をベッドと言いますが、ここも横に長くなっていることが29K62ではとても重要です。つまりより長い筒状の作品も深く差し込んで縫えるわけです。もともと29Kシリーズは靴の修理に活躍するミシンです。ロングアームは靴の種類で行けばブーツ、またブーツなど丈がある履物、バッグや義肢装具の製作でも使用されています。
この種のミシンは、シンガー八方ミシンなど呼ばれますが、元はシンガー29型がオリジナルでそれを模倣したのが八方ミシンなのです。八方ミシンとは日本のメーカーで、29型のようなミシンを製造していた会社です。SINGERの29型ミシンがユニバーサルフィード(四方八方360度どちらでも送れる)を備えているため、八方ミシンと名付けられたのだと思います。
針は専用のミシン針(DIx3など)が使用できます。ボビンは29シリーズで使用されているものの中で小さい方のものです。針棒に糸を通す専用の糸通し金具もお付けいたします。
29Kは長年経つと内部に汚れがたまりやすい構造になっています。数年では汚れませんが、これまでオーバーホールしていないミシンはさすがに古い油の汚れや生地の埃などが蓄積しています。当店が通常行っていることではありますが、いつも通り本機も分解してクリーニングし、消耗品は交換、縫製に影響する細かな傷を除去、組み立てて縫えるようにいたしました。
今回は台の後ろにサーボモーターを取り付けることにいたしました。昔のクラッチモーターのように大きく重くもないですが、パワーは十分にあり、また最高速度を設定できるので踏み込みすぎても一気に縫い進んでしまうという心配がありません。だいたい1分間に100針くらいのスピードになります。もっとゆっくり縫いたいときには手前のハンドルを使って回すと一針ずつ縫うのも楽ですね。
当店で日本語訳した説明書をお付けいたします。モーターの設定方法のマニュアルもお付けします。そういえばモーターと手回し兼用のミシンでもありますね。
消耗品 | 市販 | |
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ミシン針 | 工業用ミシン針 DIx3等 | ○ |
ボビンケース | 専用ボビンケース | ○ |
ボビン | 専用ボビン | ○ |
ゴム輪 | 外径31mm以上 | ○△ |
ベルト | 職業用革ベルト以上 | ◎○ |
◎:手芸店で新品入手可能 ○:専門店で新品入手可能(かも) △:ミシン専門店でも新品入手難 ×:アンティーク品のみ存在 |
主な機能 | |
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縫い目調整 | ○ |
縫い目最大幅 | 約4mm |
返し縫い | - |
上糸調子 | ○ |
下糸調子 | ○ |
押え圧力調整 | ○ |
押え最大高さ | 約9mm |
サイズ(横x奥x高さ) |
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82 cm x 48cm x 114 cm |
※ |
その他の特徴 |
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縫い目の長さは素材や設定等で変わります。 |
シンガーモデル29は内部に油汚れ等がかなりの量溜まっていますので、細かく分解してクリーニングいたしました。※過去の整備例の写真ですが全て同じような作業をしております。