出ました！美しいモデル188Uの職業用足踏みミシンです。職業用ミシンはプロをはじめ一般の方でも洋裁を熱心にやる方に好まれ使用されるミシンですので、普通は使用されて多かれ少なかれ使用感や傷があるものです。しかしながら！本機はそういったものを感じさせないきれいなコンディション。こういった道具がまだ残っているんですね。188シリーズは初めの188から→188U→188U2→…という風にマイナーチェンジをしながら長く製造されていたモデルです。188Uはその2番目にあたるモデルですので、古いはずなのにこの状態というのは私ども修理士でも驚いています。今回同時に掲載した3機で比較しても、写真ではわかりにくいかもしれませんが、圧倒的に美しいです！しかもライト付。こちらはデッドストック品でもう製造されていません。

　職業用ミシンは毎日仕事で使うためのミシンですので、本体は堅牢に作られています。大きなベルト車の回転による推進力にも負けない強さがあり、それを常に針まで伝えますのでタフさは必要条件なのですね。釜は全回転の垂直釜。スピードに対する縫製の安定性があります。また使用できる針も硬い職業用・工業用ミシン針でいろいろな種類があるのも魅力です。ボビンやボビンケースも現行の市販されているものが使用できます。ボビンにもヤキ入り・ヤキなしの鉄製、アルミ製など種類がありますよ。

　機械は分解掃除をして調整いたしました。ベルトなどの消耗品は交換いたしました。内部のグリースも交換済み。こちらの機械は比較的に動作が軽いです。大きなベルト車の脚を使っていますので初動は家庭用より重くなりますが、縫い進んだときの推進力は他のミシンと比べて圧倒的です。工業用ミシン針（DBｘ１など）・ボビンケース・ボビンなど市販されているものが使用できます。返し縫い機能があり、返し縫いのレバーにはバネが入っていますので、レバーから手を放すと元の位置に自動で戻ります。

　台は古い塗装を研磨し再塗装いたしました。こちらも傷みの補修はほとんどしないで良いほど良い状態でした。塗料には植物由来のステイン、天然樹脂のシェラックニスを使用しました。いずれも古くからアンティーク家具の補修や塗装に使われてきました。石油系シンナーなども使用しておらず、またホルムアルデヒドの吸着効果もあると言われています。ただ、熱やアルコールに弱いので、熱いコーヒーカップや消毒アルコールなどを置かないようにしてください。また水気のある花瓶も避けた方がよいでしょう。脚は分解クリーニング後に再塗装をして調整いたしました。

　この状態の足踏みミシンは探してと言われても滅多に出ません！