シンガーの国産職業用足踏みミシン、SINGER 188 Professionalです。シンガーは海外製と思われる方も多いかと思いますが、戦後は日本の宇都宮にシンガーの工場ができたため日本製のシンガーミシンが製造されるようになりました。職業用ミシンの188シリーズは30年以上続いた人気機種で、188 professionalはその集大成ともいうべくシリーズの最後を飾った名機となりました。足踏みミシンとしてはこの機種が最後だったと思います。

　ミシン本体の外見は比較的近年のということもあり状態は良いですね。機械内部は分解クリーニング後に整備と組み立て調整を行っております。特に機械の駆動部分は古い汚れや錆を落としました。使用による緩み・ずれ・傷などを整備し、組み立てて縫えるように調整をいたしました。グリースの交換もしております。

　針は職業用・工業用ミシン針と呼ばれるDBx1などの針、ボビンケース・ボビンも職業用として市販されているものが使用できます（本体装着品は新品に交換済み）。レバー操作による縫い目長さの調整、また返し縫い機能があります。レバーを離すと自動で返し縫が解除されます。台の下には膝上げが付いており、膝で押さえを上げることが出来ますので、押えレバーを手で上げる動作なしに生地の方向転換などができます。推進力とスピードも出ますので、“時短”できるミシンですね。

　台はオリジナルのものをクリーニングいたしました。多少の変色はございますが深い傷はなく生地を滑らせても抵抗なく滑りますのでスムースに縫い進めることができるでしょう。状態は良好です。脚は分解クリーニングと再塗装および調整をいたしました。ベルト車の回転やペダルの動きも快調です。