皆さんご存知の三菱（MITSUBISHI）製の家庭用足踏みミシンです。ミシンは特に三菱電機の製品でした。現在は家庭用ミシンは見かけませんが工業用ミシンでは今なお製造を続けています。今でもミシン製造に携わっているということは、当時から技術的に優れていてかつ現在まで研鑽を重ねてきたからだと私は思います。古いミシンをたくさん扱っておりますが、確かに安定した縫製ができるのは、三菱のような名の知られたメーカーや存続しているメーカーのものに多いようです。名は伊達ではないということを感じています。

　機械は分解掃除をして調整いたしました。ゴム輪やベルトなどの消耗品は交換いたしました。家庭用ミシン針・ボビンケース・ボビンなど市販されているものが使用できます。返し縫い機能、送り歯を上下させるドロップフィード（送り歯の高さを調整させる機能）もあります。キルトや刺繍もやっていた方がいるようです。アタッチメントを使えばボタンホールの穴かがりも可能です。

　木製の台部分は大きな破損も無く古い塗装を剥がすまでもないと判断してクリーニングと表面の調整のみをいたしました。写真では光の具合などで写りにくいのですがその程度の擦れや傷などの経年の使用跡はございます。それでも年月を考慮すると比較的に良い状態であることは間違いありません。脚は古い塗装の劣化が見られましたので、分解クリーニング後に再塗装と調整をいたしました。

　絵柄もシンプルになり工作精度もよいことから終戦直後からしばらく経って少し進歩した頃のミシンだと思います。動作も軽く静かですよ。