国産のシンガー（SINGER）モデル15Uの足踏みミシンです。こちらは昭和30年代に日本のシンガーの工場（正確には出資した工場）で製造されたミシンで、その技術力は国内外から高く評価されていたそうです。我々が分解整備していてもそれは確かに感じます。鋳物の密度は高くがっちり堅牢で、機械の方ではネジの切り方でもきっちりしていますし、外装の塗装も厚く今でもきれいに残っているほどです。他の古い製品と比べると60年以上も経っているのが不思議なほどです。分解整備をして動きも滑らかになりました！縫い目もきれいです。

　機械内部は汚れておりましたので分解してクリーニングしております。同時に細かな傷を見つけて整備し、消耗品は交換、組み立てて縫えるように調整をしております。こちらには返し縫い機能があります。また送り歯の上下機能もありますので、別途刺繍枠やダーニング押えを入手すればフリーキルトや刺繍も可能です。

　木の部分は下地にまで達するような傷はほとんどなかったのですが、塗装は劣化していました。そこで古い塗装を研磨して落とし、傷んだ部分の補修、下地を調整して再塗装いたしました。使用したニスは天然樹脂シェラックニス。熱いカップやアルコール、または花瓶の水などに注意して下さい。脚は分解クリーニングと再塗装および調整をいたしました。脚は塗装の劣化が見られましたので分解クリーニングと再塗装および調整をいたしました。ベルト車やペダルがスムースに動くように分解しグリースアップ、注油、などをしております。最後にミシン本体とベルトで繋げて動きを確認しております。動作は特に静かです。